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高麗人参を原産地で選ぶ

高麗人参選びのポイントは原産地

滋養強壮などさまざまな効果効能が認められている高麗人参は全体の70%以上が韓国と中国で栽培されています。
日本でも小規模ですが栽培されています。
生薬の根は安いものでも1本2000円前後、高いものは数万円から数十万円するため慎重に選びたいものです。
そこで注目したいのが原産地です。
高麗人参の栽培はとても難しく、その土地の気候や地質の影響を大きく受けます。
栽培に適しているのは朝晩の気温差が大きく夏は涼しく冬は雪が少ない気候、ミネラル分を多く含み水はけの良い地質とされています。
適した気候と良い土壌で育った高麗人参は太くてずっしりとした重さがあり、有効成分であるジンセノサイドの種類が多く含有量も豊富です。
また国によって栽培方法や管理も異なるため品質に差があります。
高麗人参を選ぶときは原産地を確認しましょう。

韓国産

韓国産の特徴

高麗人参栽培の歴史は古く李王朝下の18世紀に世界で初めて成功しました。
その後は王朝によって高麗人参の権益が独占されたため、長らく本格的な栽培方法が普及しませんでした。
やがて日本の統治時代に入ると栽培技術が持ち込まれたことで、朝鮮半島全土で高麗人参栽培が本格化します。
韓国産の高麗人参は他の国で栽培されたものよりもジンセノサイドの種類が多いのが特徴です。
日本産の高麗人参には8種類のジンセノサイドが含まれていますが、韓国産の6年根には32種類ものジンセノサイドが含まれています。
涼しく乾燥していて冬は雪が少ない韓国の風土は高麗人参栽培に最適です。
韓国では李王朝時代からの伝統で国家によって高麗人参の品質を厳しく管理しています。
高麗人参の中でも上級品である紅参は1996年まで政府企業に専売が任されていました。
韓国産の品質の良さは世界的に高く評価されています。
韓国産の高麗人参には緑の輪をデザインした「韓国の農協マーク」が付いています。
韓国産の高麗人参を購入するときに確認しましょう。

主な原産地

栄州市豊基

豊基(プンギ)は韓国中部の栄州市に属する行政区域です。
太白山脈と小白山脈に囲まれる盆地であり、農業と酪農、漁業が主な産業です。
高麗人参の栽培が最も盛んに行われているのは標高250mの小白山麓一帯です。
高原地帯であるため土壌には有機物を豊富に含み、夏は涼しく冬は寒い内陸性寒冷気候で風通しが良く、土は砂質で排水がしやすいため栽培に適した条件が全て揃っています。
そのため密度が高く肉質に弾力があり、ずっしりとした重さと強い香りのある高麗人参が獲れます。
ジンセノサイドの含有量も非常に多く、濃厚であるため二番煎じ、三番煎じをしても形が崩れず高い効果効能が期待できます。
豊基の高麗人参には滋養強壮作用や疲労回復作用以外にも、習慣的に摂ることで血圧を調整し、肝臓を保護し、赤血球増加など新陳代謝を促す効能があります。
また栄州市では収穫の最盛期に合わせて毎年9月末から10月の初旬に「栄州豊基高麗人参祭り」が開催され、国内外から多くの観光客が訪れます。

豊基に行くならここ!

現地を訪れて購入したい方は、豊基駅前に開設されている「高麗人参市場」がおすすめです。
約80もの店舗が軒を連ね、産地でしか並ばない新鮮な水参(生の高麗人参)が手に入るほか、小白山で獲れた質の良い高麗人参を購入することができます。

錦山郡

錦山群(クムサンぐん)は韓国西中部の忠清南道に位置し、周囲を山に囲まれた農業と酪農が盛んな地域です。
韓国における高麗人参栽培面積の約7割を占めています。
「高麗人参の里」として知られる錦山は、寒暖の差が激しく土質が良いことから栽培に適した好条件が揃っています。
ここで獲れる高麗人参は長くて硬さがあり色が白く、5.2%というほかの地域の高麗人参よりも遥かに多いジンセノサイドを含んでいます。
そのため韓国でも最高品質の高麗人参として高く評価されています。
また収穫期に合わせて毎年9~10月には「錦山人参祭り」が開催されます。
人参収穫体験や人参薬草料理・人参酒ボトル作りなどの体験イベントが人気を集めています。

錦山に行くならここ!

現地を訪れて購入したい方は、「人参の街」として有名な錦山邑(クムサンウプ)中島里(チュンドリ)の中心部に立地する「錦山人参市場」がおすすめです。
韓国でも高麗人参だけを扱う市場は少なく、ここでは韓国全体の約8割の高麗人参が取引されていて、韓国で生産されたほぼ全ての高麗人参を見ることができます。
ほかの地域よりも20~50%程度安く購入することができるのが魅力です。
周辺には100以上の店舗が入居する「錦山スサムセンター」があり、産地でないとなかなか手に入らない新鮮な水参を手ごろな価格で購入することができます。
ほかにも毎月2と7がつく日に「人参の市」が開かれ、質の良い高麗人参を求めて大勢の人が訪れます。

江華郡

江華郡(カンファぐん)は仁川広域市の北西部に位置し、北端は北朝鮮と西側は京畿湾に面しています。
江華島、喬桐島、席毛島の3島とその他の小さな島々からなる農業が盛んな地域です。
この地域で栽培された高麗人参は「江華人参」と呼ばれています。
夏は涼しく冬は雪が少ない海洋性の気候と地質の良さによって、比較的重さがあって硬く香りの強い高麗人参が獲れることで知られています。

江華に行くならここ!

仁川広域市には仁川国際空港があり、ソウルからも近いことから多くの外国人観光客が訪れる人気の観光地です。
旅行で訪れる機会がある方は江華島にある「江華人参センター」に足を運んでみましょう。
数多くの店舗が出店する江華人参センターでは、6年根をはじめ質の良い江華人参がソウルの市場よりも安く購入できます。
人参酒や人参茶も売られています。

坡州市

坡州市(パジュし)と北朝鮮の開城市一帯は朝鮮半島有数の高麗人参の産地として知られています。
ここで獲れる高麗人参は「開城人参」と呼ばれ、ジンセノサイドの含有量が多く香りが強く密度が濃いことから韓国でも根強い人気があります。
その中でも6年根は最高の品質と称えられ、中国やアラブ諸国にも輸出されています。
このような質の良い高麗人参が採れる理由は、生育に適した条件が全て揃っているためです。
夏は涼しく冬は暖かく雪の少ない気候と水はけの良い土質は生育に時間のかかる高麗人参に最適です。
毎年10月には「坡州開城高麗人参祭り」が開催され国内外から多くの人が訪れ賑わいます。
坡州市職員が採掘と選別に関わり、6年根高麗人参の確認を行ったあとに鍵がついた収納ボックスで保管します。
このような厳しい品質管理が行われているため、より質の高い6年根のみを扱う農産物祭りとして有名になりました。

鎮安群

鎮安群(チナンぐん)は韓国南西部の全羅北道に位置し、農業が盛んな山間の高原地帯です。
日本ではあまり知られていませんが錦山と並んで韓国有数の高麗人参の産地であり、その生産量は錦山に次ぐとされています。
寒暖の差が激しく水はけの良い地質は高麗人参に最適です。
この地域で栽培される高麗人参はジンセノサイドを豊富に含んでいることが分かっています。
鎮安群の特産品は質の良い高麗人参だけを選んで蒸してから乾燥させた紅参で、日本など海外にも輸出されています。

日本産

日本産の特徴

オタネニンジンという和名がある通り、日本でも古くから栽培が行われてきました。
その歴史は徳川幕府八代将軍徳川吉宗の時代まで遡ります。
主な産地は江戸時代から栽培が続いている三大産地の福島県会津地方、長野県東信地方、島根県松江市大根島です。
それぞれの産地ごとに会津人参、信州人参、雲州人参という名前で呼ばれています。
三大産地とは言っても生産量は韓国産や中国産よりもずっと少なく、近年は安価な中国産や韓国産の影響や後継者不足による衰退で生産者数、生産量ともに減少傾向にあります。
それでもこれらの産地で摂れた高麗人参は品質が良くジンセノサイドの量が多いため、韓国産の上級品と同等の評価を得ています。
高品質ですが生産量が少なく希少であるため、価格が高いのが特徴です。

主な原産地

福島県会津地方

福島県会津地方は周囲を山に囲まれた盆地であることから、典型的な内陸性気候であり、寒暖の差が激しく夏は暑く冬は寒いのが特徴です。
このような気候が高麗人参栽培に適していると考えられて、日本でもいち早く高麗人参栽培がはじまりました。
会津地方は日本三大産地に数えられ、地元で収穫された高麗人参は「会津人参」と呼ばれています。
その歴史は300年ほどあり、会津藩が栽培を主導したため信州や島根と並ぶ生産量を誇りました。
しかし、明治に入ると少しずつ衰退が始まります。
安価な中国産や韓国産に押される形で価格が低迷し、平成に入ると栽培を止める農家が相次ぎました。
会津若松市では後継者不足によって会津人参を生産する農家数が減少傾向にあります。
隣の会津美里町では数えるほどの農家しか生産を行っていないのが現状です。
さらに2012年には「会津人参農協」が解散したことで、多くの組合員が栽培を諦めてしまいました。
そんな状況でも会津人参の火を絶やすまいと地元の有志が立ち上がります。
農協の施設を買い取ると、新規の就農者を集めて「会津人参栽培研究会」が発足しました。
貴重な会津人参は品質が良いことから高値で取引されています。

会津に行くならここ!

会津若松市には会津人参の発祥の地として栽培の歴史を伝える「御薬園」があり、約400種類ほどの薬草薬木が栽培されています。
施設内では会津人参を購入することができ、粉末やエキス、切片や細根が手ごろな価格で売られています。

長野県東信地方

長野県東信地方は上田・佐久地方とも呼ばれる、長野県東部の千曲川流域に広がる地域です。
北には浅間山が、南には八ヶ岳があり四方を山で囲まれた盆地であることから、涼しくて水はけが良く高麗人参栽培に適しています。
日本三大産地に数えられる東信地方の高麗人参栽培は160年ほどの歴史があり、この地方で収穫された高麗人参は「信州人参」と呼ばれています。

東信地方各地で収穫された信州人参は「JA佐久間人参センター」に集められます。
ここでは一つ一つ丁寧に土を落として水洗いし、40日以上かけて水分が5%以下になるまで乾燥させます。
現在、東信地方では上田市、佐久市、小諸市、北佐久群、南佐久群、小県郡などで栽培が行われています。
しかし、近年は安価な中国や韓国産に押される形で生産者数は40人ほどまで減少しました。
(*1) 信州人参は秋に種をまいてまず2年間育てます。
そして2年目の秋に全て掘り出して、そのうち1割程度の上級品のみを選んで植え替えを行い、さらに3~4年育てます。
こうすることが質の良い信州人参を育てるコツなのだとか。
このようにして育てられた5年根と6年根は国内外で高値で取引され、香港などにも輸出されています。
残りは2年生(にねんしょ)として生の状態で流通しますが、苦味が少ないことから近年では天ぷら用として人気が出ています。

島根県松江市大根島

島根県松江市大根島は島根県東部に位置しており、東は日本海、西は宍道湖と接する中海に浮かぶ東西3.3km、南北2.2kmの島です。
この小さな島の基幹産業は農業で、その中でもボタン栽培と並んで盛んなのが高麗人参の栽培です。
日本三大産地にも数えられている大根島で獲れた高麗人参は「雲州人参」と呼ばれ、地元で親しまれています。
その起源は江戸時代中期の天保年間(1830~1844)まで遡ります。
既に国内では会津や日光などで高麗人参栽培が行われていましたが、大根島は栽培に適した条件が揃っていたこともあり、松江藩の主導で栽培が開始されます。
海底火山の噴火によって隆起して出来た大根島はミネラル分を豊富に含んだで土壌が特徴です。
質の良いことで知られる雲州人参は高値で取引され、藩の財政を潤したと言われています。
明治に入ると島根県内の他の地域に設けられていた栽培地が次々に消滅していきます。
しかし、大根島では島をあげて栽培に力を入れたこともあり、島根県で唯一の栽培地として残りました。
最盛期には島民の3割から4割が栽培に従事していたと言われています。
明治7年に販売が自由化されると生産量が飛躍的に伸び、高麗人参産業は最盛期を迎えます。
雲州人参は海外でも高く評価され、台湾や香港など海外にも輸出されています。

大根島に行くならここ!

雲州人参に興味を持たれた方はぜひ現地を訪れてみましょう。
大根島にある由志園は歴史のある日本庭園ですが、島の特産品である高麗人参について知るには最適の場所です。
年間30万人が訪れる由志園では、雲州人参の歴史を学べる「雲州人参ミュージアム」や試飲できる体験施設が人気を呼んでいます。
もちろん高品質の雲州人参を購入することもでき、価格も手ごろです。
人参エキスや粉末、人参酒、人参茶などさまざまな商品を買うことができます。
さらにここでしか味わうことが出来ない「高麗人参アイスクリーム」を食べることができます。

中国産

中国産の特徴

世界で最も多くの高麗人参を栽培しているのが中国です。
朝鮮半島から伝わった栽培方法が普及して今では世界最大の生産国となっています。
主な原産地は遼寧省、吉林省、黒龍江省の東北三省です。
その中でも北朝鮮と国境を接する吉林省では、希少な野生の高麗人参が獲れるほか、栽培も盛んに行われていて世界全体で生産される高麗人参の7割を占めています。
中国産の高麗人参は高品質で高値で取引される少数の上級品がある一方で、多くのものは韓国産や日本産よりも質が劣るため安価で取引されています。
とにかく安く手に入れたいという方にはおすすめです。
高価な韓国産の上級品や希少で入手がちょっと少し大変な日本産と違って、敷居が低く手軽に購入できるのがメリットです。
しかし、中国産の高麗人参には産地偽装や農薬汚染などの問題点が指摘されているため、あまりに安いものには注意が必要です。
中国産の高麗人参は韓国産の1/10の価格で取引されています。
そのため中国産を韓国産と偽って販売する産地偽装が後を絶ちません。
農薬などによる食品汚染も深刻で、日本に輸入される外国産の食品の中で違反件数が常に1位を占めているのが中国産です。

主な原産地

吉林省白頭山

中国で高麗人参の故郷と呼ばれている有名な産地が白頭山(はくとうさん)です。
中国吉林省と北朝鮮両江道の国境地帯に位置する標高2744mの火山で、長白山という別名があります。
寒冷な気候と肥沃な黒土で水はけの良い地質は高麗人参にとって理想的な環境です。
そのため数少ない野生の高麗人参が獲れる産地として知られています。
野生の高麗人参は「山参」と呼ばれていて、人工栽培のものよりもジンセノサイドの量が多く優れた効果効能があるとされています。
山参は自然に自生する「天種参」と種を山中に移植して成長させた「山養参」があり、いずれも成長が遅いため50年ほど待たないと小指ほどの太さにもなりません。
価格は若い10年根で8~10万円、20年根は20万円前後、30年根以上の天種参は滅多に見つからないため100万円以上の高値で取引されています。

もちろん白頭山では高麗人参栽培も盛んに行われています。
白頭山の高麗人参は「長白山人参」と呼ばれていて、農薬や化学肥料を使わない有機栽培が特徴です。
そのため自生するものに最も近い高品質な高麗人参として世界的に高い評価を得ています。
ところが農薬汚染などによって中国産全体に対して質が悪いというイメージが定着していることが影響し、中国産の価格低迷が続いています。
それによって韓国産と偽って販売する産地偽装が後を絶たず、さらに中国産の信頼が低下するという悪循環に陥っています。
そこで中国では野生の高麗人参を復活させるプロジェクトがはじまりました。
2011~2013年にかけて白頭山の森林に高麗人参の種子を合計9t、面積にして19万ヘクタールもの広範囲に空中散布するという大掛かりな復活プロジェクトは、4代目になると野生のものとほとんど同じものになるとされています。
それまでには数十年かかるため成果が出るのはまだまだ先になります。
国を挙げてのプロジェクトによって、中国産高麗人参の質向上と収穫量の増加が期待されています。

*1参考元:われわれは信州人蔘の癒す力を信じています|農畜産物|長野県のおいしい食べ方 http://www.iijan.or.jp/oishii/products/vegetable/post-891.php アクセス日 2018/3/16

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