banner

高麗人参と注意すべき飲み合わせ

高麗人参に副作用はほとんどない

古くから高価な生薬として珍重されてきた高麗人参は子どもからお年寄りまで安心して摂ることができる安全性の高い食品です。
高麗人参の主成分はサポニンの一種であるジンセノサイドですが、大豆や黒豆などの他の多くのサポニンとは異なり毒性がないのが特徴です。
このようなことから現在のところ高麗人参には目立った副作用は報告されていません。では薬との飲み合わせはどうなのでしょうか?
高麗人参が原因で副作用が引き起こされることはほとんどありませんが、薬との相性によっては悪影響を及ぼすことがあり注意が必要です。

漢方薬同士の飲み合わせ

偽アルドステロン症に注意

高麗人参は漢方薬に使われる生薬の定番です。代表的な漢方薬には「人参湯」「人参養栄湯」「補中益気湯」「加味帰脾湯」「十全大補湯」などがあり、複数の生薬を組み合わせて処方しています。
副作用がある代わりに即効性がある西洋薬とは異なり、漢方薬は即効性はありませんが副作用が少ないのが特徴です。多くの生薬は効き目が穏やかで体への刺激が少ないため安心して摂ることができます。

しかし、生薬単独では問題がなくても組み合わせによっては副作用が引き起こされる場合があります。例えば人参養栄湯や補中益気湯に使われる甘草は大量に摂ると「偽アルドステロン症」という副作用が引き起こされます。
偽アルドステロン症は体の水分バランスが崩れて体液が過剰になることで、高血圧や手足のむくみ、低カリウム血症、筋肉痛や痙攣といった症状が現れるのが特徴です。

アルドステロンは尿のナトリウムやカリウムの量を調整するホルモンのことです。甘草にはグリチルリチンという成分が含まれていて、この成分がまるで体内のアルドステロンが増えたような症状を引き起こすことから、「偽アルドステロン症」という名前がつきました。

甘草を配合した漢方薬を複数摂っている方は、偽アルドステロン症が起きる可能性があります。高麗人参を配合した漢方薬を利用する場合は、医師または薬剤師さんに他に併用している薬を報告して飲み合わせについて相談してください。

葛根湯との併用は避ける

高麗人参は体を温める温性の働きをするのが特徴です。体温が上がり発汗が促されるため代謝を向上させることができますが、熱があるときに摂ると体がほてってしまいます。
高麗人参と同じく体を温める働きをする風邪薬との併用には注意が必要です。

その中でも飲み合わせによる副作用が指摘されているのが葛根湯です。
葛根を中心に麻黄、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草の7種類の生薬から有効成分を抽出した葛根湯は、高麗人参に近い働きをする漢方薬です。
体を温めることで発汗を促して熱を下げる働きがあり、発熱や悪寒といった症状がある方に適しています。鎮咳作用や鎮静作用があることから風邪の治療のほか、肩凝りや腰痛、筋肉痛などさまざまな症状を緩和する効果があります。
葛根湯は西洋薬の風邪薬に多くに見られる、眠くなる副作用がないため仕事中でも安心して摂ることができるのがメリットです。

しかし、高麗人参とは相性が悪いため併用は避けましょう。健康食品メーカーのWebサイトでもQ&Aで葛根湯を服用しているときは「風邪などの発熱時に葛根湯を飲まれる場合は、高麗紅参の飲用はお控えください」などと記載されています。
なお、肩凝りや腰痛などの緩和を目的に服用する場合は、2~3時間程度の間隔を開けて摂ることで副作用を抑えることができます。

ワルファリンとの併用は危険

血液凝固阻止剤であるワルファリンは、血栓症や塞栓の予防と治療に使われる薬です。また血液透析、輸血、血液検査のときにも使われます。ワルファリンは肝臓内で作用することで血液凝固因子が生合成されるのを抑制して、血液が固まらないようにしています。
このため同じ働きを持つ他の医薬品と併用すると血液凝固阻止作用が増強されてしまい危険です。実際に抗がん剤カペシタビンとの併用でワルファリンの効果が増強されて死に至った例が報告されています。

これは血流改善作用を持つ高麗人参にも言えます。有効成分ジンセノサイドには血管を拡張して血の巡りを良くし、血小板が凝縮して血栓が出来るのを防いでくれます。
ドロドロした血液がサラサラした血液に変わることで、全身に栄養がスムーズに行き渡るようになります。動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの心疾患の予防、冷え性、肩凝りや腰痛の緩和に効果的です。

ところが血液の凝固を阻止するワルファリンと併用するとその作用が増強されてしまい、出血を引き起こす可能性が高くなります。血液を固める働きをするビタミンKを摂ることで副作用を抑えることが可能とされていますが、ワルファリンを処方されている方は医師に相談してください。

アセトアミノフェンとの飲み合わせ

解熱鎮痛剤であるアセトアミノフェンは、発熱や頭痛などの緩和のほか、関節炎、歯痛、外傷、生理痛、腰痛、筋肉痛、神経痛などの鎮痛目的に使われています。
日本では処方箋が必要な医療用医薬品のほかに、処方箋なしでドラッグストアやインターネット通販でも購入できる指定第2類医薬品としても販売されています。
私たちの身近にある医薬品にもアセトアミノフェンが使われていますが、台湾では高麗人参との併用で激しい頭痛を訴え、脳動脈炎と診断された事例が報告されています。(*1)
アセトアミノフェンを含む解熱鎮痛剤を服用している方は念のため医師に相談してください。

ホルモン剤との飲み合わせ

中高年女性が発症する更年期障害は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因です。高麗人参にはホルモンの分泌を促す作用があるため、ほてり、のぼせ、めまい、動悸、イライラなどの更年期障害の症状を緩和する効果が期待されています。
ほかにも生理痛や生理不順、骨粗しょう症、自律神経失調症の予防と緩和にも有効です。しかし、プレドニゾンなどの副腎皮質ホルモン剤を処方されている方は強い副作用が生じる可能性があります。ホルモン剤と併用する場合は医師に相談してください。

抗うつ剤との飲み合わせ

高麗人参に含まれるジンセノサイドには中枢神経を活性化するトリオール系と中枢神経を鎮静するジオール系があり、交感神経と副交感神経のバランスを保つ働きがあります。
気持ちが高ぶって緊張やイライラを感じたときは副交感神経を優位にしてリラックス状態に導きます。逆にだるさや倦怠感を感じたときは交感神経を優位にして気力を高めてくれます。

うつ病を予防する効果も期待できますが、抗うつ剤との併用には注意が必要です。スペインではアミトリプチリンを75mgと高麗人参(摂取量は不明)を4日間摂っていた女性、クロミプラミンを75mg、ハロベリドール1mgと高麗人参抽出物300mgを2週間摂っていた女性が、躁状態になった事例が報告されています。(*1)
またアメリカとカナダでは、フェネルジンと高麗人参を摂っていた女性に躁状態や不眠、頭痛などが引き起こされた事例が報告されています。
これらは日本でも使われている抗うつ剤です。うつ病などの精神疾患を治療中の方は医師に相談してから高麗人参を利用しましよう。

多量のカフェインと高麗人参の同時摂取は副作用を引き起こすことも

高麗人参は優れた強壮作用を持つことから漢方では補気剤として使われています。高麗人参には強い刺激がなく穏やかに効くため、多少摂り過ぎても興奮したり眠れなくなったりすることはありません。

しかし、カフェインは高麗人参の作用を増強させる働きがあるため同時摂取には注意が必要です。コーヒー1杯程度であれば問題はありませんが、トルコではコーヒーを4~6杯と高麗人参カプセル1000~1500mgを7ヶ月間摂った女性に、機能性子宮出血と不整脈の症状が現れた事例が報告されています。(*1)
ほかにもアメリカではカフェインを700mgと大量の高麗人参を6ヶ月間摂っていた女性が、2度も失神を引き起こした事例が報告されています。(*1)
これほどまで大量にカフェインを摂ることは稀ですが、いま人気が上昇しているエナジードリンクの中には1缶に200mg以上の多量のカフェインを含むものがあります。高麗人参を摂るときはカフェインを摂り過ぎないように注意しましょう。

*1参考元:「健康食品」の安全性・有効性情報 http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail110.html アクセス日 2018/3/7

banner
Copyright(c) 2013 Guide of Asian ginseng. All Rights Reserved.