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高麗人参と紅参はどう違う?

加工法によって呼び名の異なる高麗人参

古くから漢方薬として用いられてきた高麗人参にはさまざまな呼び名があります。オタネニンジンという和名があり、朝鮮人参や薬用人参または単に人参と呼ばれることもあります。
これらは呼び方が違うだけで全く同じものです。昔は朝鮮人参の名前で親しまれていましたが、近年は高麗人参という呼び方が定着しています。

ところが高麗人参の呼び名はこれだけではありません。「紅参」「白参」「水参」などもあり、いったいそれぞれどう違うのか混乱してしまいます。では高麗人参と紅参にはどのような違いがあるのでしょうか?
私たちがよくイメージする高麗人参は乾燥させたものです、もちろん本場の韓国では生の高麗人参も使われています。
しかし、全く加工しない生の状態では日持ちがしないため、質が良いものほど日持ちさせるために乾燥させてから出荷しています。高麗人参は加工の仕方によって紅参、白参、水参の3種類に分類されます。
ウコギ科の多年草である高麗人参は栽培年数によって1年根から6年根まであります。1~3年根は有効成分の量が少ないため、4~6年根まで栽培されるのが一般的です。4年かけて栽培した若い4年根は白参に加工されます。
そして良質に育った5年根と6年根は紅参に加工され、その中でも6年根を加工した紅参は特に質が良いため高値で取引されています。これは高麗人参に含まれる有効成分を調べたところ6年根が最も多く含んでいることが分かったためです。
ちなみに7年以上経ってしまうと表皮組織が老化によって硬くなり、有効成分の量も6年ものよりも低下するため品質が劣化してしまいます。そのため6年根を加工した紅参が最高級の高麗人参ということになります。

紅参とは

紅参の特徴

加工方法

紅参は生の高麗人参を加工したもので、皮を剥がさずにそのまま蒸気で蒸してから、水分が14%以下になるまで2週間程度自然に乾燥させて作られます。日本では「こうじん」または「べにさん」、韓国では「ホンサム」と読みます。
生の高麗人参は日持ちしないことから長期保存するための加工法として普及しました。韓国では1000年以上前から作られていたと伝えられていますが、現在のように煮てから蒸して乾燥させる紅参の加工技術が確立したのは朝鮮王朝時代に入ってからです。
高麗人参は皮にも有効成分を多く含んでいるため、皮を剥かずに乾燥させる紅参は皮を剥いてから加工したものよりも多くの成分を含んでいます。
加工することで薄茶色から赤褐色に変わりますが、この色は私たちが一般的にイメージする高麗人参の色です。さらに熱を加えることで人参サポニンとも呼ばれるジンセノサイドが科学的に変化して、乾燥させると水参(無加工の生の高麗人参)には含まれないジンセノサイドが生まれ、含有量も大きく増加します。

含まれている成分

紅参には30種類以上のジンセノサイドのほか、各種ビタミン、マグネシウムやカリウムといったミネラル類が多く含まれています。ほかにも肉類や大豆に含まれるアミノ酸の一つアルギニン、血糖値を下げる作用のあるパナキサンなども豊富に含まれています。

健康効果

抗酸化作用

紅参の大きな特徴に強い抗酸化作用があります。血液に活性酸素が増えると血中の悪玉コレステロールを酸化させて、ドロドロした血液となり動脈硬化が進んで血管が老化していきます。紅参にはドロドロした血液をサラサラした血液に変える働きがあり、アンチエイジング効果が期待できます。

アレルギー症状の緩和

豊富な有効成分を含んだ紅参は白参や水参よりも効果が高いとされ、免疫力の低下、冷え性、肝障害、腎不全、糖尿病、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の予防や改善効果が期待されています。

自律神経の調整

紅参には優れた万能性があり、ジンセノサイドをはじめとする有効成分もバランスよく働きます。それは中枢神経を抑制するジオール系と中枢神経を刺激するトリオール系、正反対のアクセルとブレーキの役目を果たすジンセノサイドを同時に摂ることができるためです。
このように活性化させる効果と抑制する効果の両方を持つ天然のハーブのことを「アダプトゲン」と呼び、昔から漢方として用いられてきました。
アダプトゲンは自律神経を調整する役目を果たす脳の視床下部、ホルモンを分泌する脳下垂体、生命維持に極めて重要なステロイドホルモンを分泌する副腎系を正常化することで、ホルモンの分泌や免疫バランスを整えて体の機能を正常に保ちます。

ホルモンバランスの調整

ほかにも紅参には女性ホルモンの分泌を促すことでホルモンバランスを整える作用があり、強壮剤の役目も果たすことから、更年期障害の改善に有効と言われています。
更年期障害は中高年女性が抱える大きな悩みの一つです。人によって差がありますが一般的には50歳前後から発生し、女性ホルモンの低下によって、倦怠感、むくみ、冷え、イライラ、欝、性機能障害などさまざまな症状が引き起こされます。
またジンセノサイドは緊張や興奮を感じたときに優位となる交感神経、安らぎを感じたときに優位となる副交感神経のバランスを整える強い働きがあります。それによって精神状態が安定してイライラやうつ欝を抑えることができます。

美容効果

ストレス軽減

紅参は美容に対する効果も期待されています。精神的なストレスは体調不良や肌荒れを引き起こし、見た目の美しさにも大きく影響しています。
多忙な現代人は仕事や人間関係によって何かとストレスを溜めがちです。このようなときにはヨガや瞑想が効果的と言われていて、心と体の調和と安らぎを得ることでストレスが解消されて肌も正常な状態へと戻ります。
紅参にはそれと同じ働きがあり、疲れが抜けない、イライラが酷い、不眠といった症状が特徴の不定愁訴(原因を特定しにくい体調不良)の治療にも活用されています。

肌の代謝促進

肌荒れ改善だけでなく、もう一つ美容にとって大切なのが美肌です。潤いに満ちていてツヤとハリのある透き通った肌は女性なら誰もが憧れます。紅参には皮膚組織全体の代謝を促す作用があることから、ターンオーバーによって老廃物を排出して肌機能を正常に保つことができます。
ターンオーバーが促進されることで紫外線などの外的刺激によって作られたメラニン色素の排出が促されます。それによって日焼け対策防止 になるほかシミやそばかすが改善されて美白効果も得られます。

摂り方

摂取するタイミング

漢方として利用する場合は煎じてお茶として摂るのが一般的です。粉末、錠剤、顆粒、抽出エキスなどに加工された紅参は水やお茶と一緒にそのまま飲むことができます。
空腹時に摂取すると体内で素早く吸収されるため食前に摂るとより効果的です。同じような理由から運動後もおすすめです。
運動することで食べ物の消化が促進されて、空腹状態となり有効成分が早く体内に吸収されます。ただし、体質によっては空腹時に摂ると負担を感じてしまうことがあります。その場合は食中や食後に摂りましょう。
紅参はどのようなタイミングで摂ったとしても十分な効果を期待することができますが、効果を得るためには続けることが大切です。

注意点

注意点としては降圧剤、女性ホルモン剤、精神安定剤などとの飲み合わせです。紅参には血圧と神経に働きかける貸せる作用があるため、これらの薬と一緒に摂ると体への刺激が強すぎて副作用が引き起こされる可能性があるためです。

紅参から作られる紅参茶と紅参酒

紅参茶

紅参を黄土瓶という韓国で採掘された黄土を使った瓶に入れて、48時間以上煎じたものが「紅参茶」です。黄土瓶は鍋で煎じるよりも高い効果が得られるとされ、古くから漢方薬に利用されてきました。
この紅参茶にはフリーズドライによって顆粒状にしたものや、濃縮エキスにしたものも売られていて、煎じる手間をかけなくても気軽に摂ることができます。
紅参茶は漢方に使われるくらいですから苦味があります。苦いのが苦手な方はハチミツを加えると苦味がやわらいでマイルドになり飲みやすいです。

紅参酒

もう一つ、紅参から作られる加工品に「紅参酒」があります。1年以上かけて寝かせるため時間はかかりますが、作り方は簡単なためどの家庭でも試すことができます。
紅参酒作りにはしっかりと密閉できるガラス瓶を用意します。あとは焼酎2Lに対して紅参100g程度を加えて漬け込むだけです。クコの実100gや乾燥ナツメ10個をお好みで加えてみても良いでしょう。紅参酒は肩凝りや冷え性に効果があり特に女性におすすめです。

紅参で作るサムゲタン

紅参を使って作る代表的な韓国料理と言えばサムゲタンです。普通は生の高麗人参である水参を使いますが、ジンセノサイドが濃縮された紅参を使うことでより高い効果が期待できます。
本場韓国では薬膳料理として親しまれていて、高麗人参のほかに鹿茸、ファンギなどの漢方の材料を使い、もち米、くるみ、松の実、ニンニクなどを加えて煮込んで作ります。
もともとは朝鮮王朝の宮廷料理の一つであり、一般家庭に普及したのは20世紀に入ってからと言われています。サムゲタンは丸鶏を使いますが、材料が手に入らない場合は手羽先など骨付きの鶏肉を使ってサムゲタン風スープを作ってはいかがでしょうか。

作り方
  1. 丸鶏の腹を割いて内臓を取り出し、水でよく洗います。
  2. 紅参1本と乾燥ナツメを20分程度煮ます。
  3. その後、丸鶏の腹に洗ったもち米、干しナツメ、栗、待つのみ、ニクニクなどを詰めて、切り口を串を刺して止めて、タコ紐で縛ります。
  4. 大きな鍋に3を入れて、浸かる程度の水を加えて2を加えて沸騰させます。アクを小まめに取り、水を足して3時間程度煮込みます。
  5. スープが白濁してきたら、丸鶏を引き上げて、串とタコ紐を外してから土鍋に移します。
  6. ネギやしょうがなどの薬味をお好みで加えて、少し煮たら熱々のまま食卓へ。

白参とは

生の高麗人参の皮を剥くか、そのままの状態で水分量をが12%以下まで自然乾燥させたものが「白参」です。読み方は日本では「はくじん」「はくさん」、韓国では「ペクサム」です。生の状態よりも日持ちしますが長期保存には向いていません。
皮を剥くことで見た目が白く美しくなりますが、皮には有効成分であるジンセノサイドが豊富に含まれるため、薬用として利用する場合は紅参よりも効果が落ちるとされています。

水参とは

畑から掘り出したままの生の高麗人参が水参です。読み方は日本では「スイサンすいさん 」「すいじん」、韓国では「スサム」です。この水参を加工して紅参や白参が作られます。水参には水分をが80%近くも含んでいるため、日持ちせず腐りやすいのが特徴です。
そのため薬用としては使われず、韓国ではサムゲタンや天ぷら、キムチや和え物などの家庭料理に活用されています。煮ても焼いても揚げてもおいしく食べることができ、どんな食材にも合うため万能食材として人気があります。
すりおろしたり、生のまま食べることもできます。ただし、根の部分は苦味が強いため料理にはあまり使われず、お茶として飲むことが多いと言われています。

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